早急な解消

今やパソコンは欲しい家庭用デジタル家電の人気No.１として定着し、家電量販店などで掃除機や洗濯機と共に店頭に並んで普通に販売されています。

しかし、その人気家電には高度な最新技術が多く用いられており、機種によっては軍事転用の懸念から輸出規制されるものさえあります。

この高度な家電の不具合も、その性能に比例して高度であり、一症例での原因も多岐に渡る場合が多く、それを解消する事はそう簡単ではありません。

この家電の不具合を診る「パソコンクリニック」なるお仕事は、まさに人の病気を診る医師のように多くの知識と経験が必要となります。

パソコンはその性能が向上するにつれ、ひとたび停止すれば巨額の損害につながる重要な仕事を任されるようになってきました。

その結果、いざパソコンが不具合になり停止すれば銀行のＡＴＭやみどりの窓口のように一刻も早い復旧が待ち望まれます。

不具合が早急に解消するかどうかはいかにその原因を早急に特定できるかに尽き、それはおおむね次の点に集約されるでしょう。

「ここでクリックすると必ずフリーズします」の様に確実に現象が再現すれば、おおむね近い内にその問題は解決するでしょう。

逆に、たまにしか起こらなかったり同じ操作で再現しない場合、今度いつ起こるか分からない現象をひたすら待つわけにも行かずやっかいです。

おおよその目星でそれなりの処置をしたとても本当に解消したのか確認できませんから、やはりこの場合はログやモニター機器を活用し、一刻も早く原因を特定する方が賢明でしょう。

いずれにせよどんなに優秀な人が対応しても、再現しない現象に早急な解消は見込めません。
現象が再現するかどうかは問題の早急な解決への大きな分岐路です。

「今朝アプリの更新が始まり、その後調子が悪くなりました」はおそらく最高の情報と言えるでしょう。

対応者には普段のパソコンの様子はわかりませんから「いつもよりうるさい・熱い」は有益な情報です。
情報が無くとも優秀な技術者であればいずれ原因を特定しますが早い解決は依頼者にも利益です。

調査過程で特定の製品が疑われる場合などは、その製品型番などをキーワードにインターネットで似たような事例がないか探す事もよくあります。

もしそれがよく売れた製品であれば、たとえ特殊な事例であっても報告されている確率は高く、解決策も紹介されているかもしれません。

逆にマイナーな製品では、たとえ初歩的な事例であっても、ネットでからの情報はほぼ期待できません。

原因にたどり着いたとき「ああ、何であそこで気がつかなかったんだろう」と思うことがよくあります。
現象を客観的にとらえ矛盾に気がつく注意力は、事態を早期解決へと導く重要な要素と言えます。

「何でこんな事になっているのか見当が付かない」と言う状況はその後の事態の過酷な推移が容易に想像できますね。

そこに至るまでの過程を推理できる経験と想像力は効率のいい調査を促し、早期解決に貢献します。

原因を早急に特定できたとしても事態が必ずしも早急に解決するとは限りません。

しかしその場合でも事態が早急に解決しない事が早急にわかることは依頼者にとって非常に有益です。

依頼者は早く次の手を打つことができ、損失を最小限に抑える事へとつながるでしょう。